ピーク時の医療需要(目安)と病床・病院数の比較視覚化

厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は3月6日、新たに『新型コロナウイルスの患者数が大幅に増えたときに備えた医療提供体制等の検討について(依頼)』という通達(以下、「通達)」)を都道府県、保健所政令市、特別区に発出しました。この依頼通達は、今後国内で患者数が大幅に増えたときに、必要な医療が提供できるよう、各地域において、 外来を担当する医療機関、入院病床や ICU 病床等の準備を進めるとともに、感染防御に必要な資材、人工呼吸器等医療機器の確保を進める等、医療提供体制 について検討するためのものとされています。

そこで、ピーク時の医療需要(目安)に対して、現在どの程度の病院数・病床数があるのかを地図上で確認することを目的とし、実際の医療需要を発出された通達内に記載されている計算式をもとに計算し、需給バランスについてを視覚化しました。

定義

以下、通達を引用します。

今後、国内で新型コロナウイルス感染症患者数が大幅に増えたときに備え、各都道府県、保健所設置市及び特別区(以下「都道府県等」という。)における外来を受診する患者数等について、以下の数式を用いて計算いただき、ピーク時の医療需要の目安としてご活用の上、必要な医療提供体制を確保していただくようお願いいたします。


(1)(ピーク時において 1 日あたり新たに新型コロナウイルス感染症を疑って 外来を受診する患者数)=(0-14 歳人口)×0.18/100+(15-64 歳人口) ×0.29/100+(65 歳以上人口) ×0.51/100


(2)(ピーク時において 1 日あたり新型コロナウイルス感染症で入院治療が必 要な患者数)=(0-14 歳人口)×0.05/100+(15-64 歳人口)×0.02/ 100+(65 歳以上人口) ×0.56/100


(3)(ピーク時において 1 日あたり新型コロナウイルス感染症で重症者として 治療が必要な患者数)=(0-14 歳人口)×0.002/100+(15-64 歳人口) ×0.001/100+(65 歳以上人口) ×0.018/100


注1)ピーク時は、各都道府県等において疫学的関連性が把握できない程度に 感染が拡大した時点から概ね3か月後に到来すると推計されている。ただし、公衆衛生上の対策を行うことにより、ピークが下がるとともに後ろ倒しされる。
注2)重症者とは、集中治療や人工呼吸器を要する管理が必要な患者を指す。
注3)当該計算式は、都道府県等の単位以下における医療提供体制を確保するためのものであるとともに、各都道府県等によってピークを迎える時期が異なるため、全国の人口を用いて計算することや単純に各自治体が算出するピークの数値を足し合わせることは、不適切な取扱いとなることに留意いただきたい。なお、当該計算式については、今後新たな知見等により変更される可能性がある。
注4)実際には、ピーク時に至るまでの日々の患者数の増加はばらつきがあり、 増加曲線は推計通りの形にならない可能性が高いため、現実の患者の発生動向も踏まえて適切に体制を確保することが必要。
注5)当該計算式については、今後新たな知見等により変更される可能性がある。

https://www.mhlw.go.jp/content/000605276.pdf

今後の改善点など

  • 保健所政令市ならびに特別区版の公開(既に医療需要は計算済)
  • 重症患者に対応する医療施設(集中治療室)の数字の確認(平成30年医療施設調査には見つからなかったため、平成29年を原典とすることになるはず)

原典